「3K」職場といえば、「キツイ」「キタナイ」「キケン」と言って、主に労働条件が悪い第一次産業や土木関係などの仕事を指します。そして、実は看護師の仕事もこの「3K」の一つに含まれています。一般的なクリーンなイメージからするとそうなのかな、とも思えますが、その実情は過酷です。では、ここでその看護師の3Kについて少し見てみることにしましょう。

「キツイ」

これには、いろいろな理由が考えられますが、一つにはその多忙さがあります。申し送りから一人一人のバイタルチェック、患者の急変対応など仕事中は常にやることがあってなかなか息もつけません。他にも、夜勤のきつさもあるでしょう。多くの現場で夜勤は二名体制で、何かあればすぐに手が足りなくなります。さらに、夜勤のために生活や体調のリズムも乱れがちです。
それ以外でも、看護師の仕事につきものなのが様々な書類作成です。日常の業務でも看護師は多くの書類を書かなくてはなりません。実際、看護師が嫌だと思う仕事、というアンケートを取ると必ず上位に入ってくるのは「書類作成」です。単に面倒くさいからというより「患者さんのために看護師になったのになぜこんな雑事に時間を取られているんだろう」と感じてしまうからのようです。

「キタナイ」

医療の仕事というのは実際、汚い仕事でもあります。患者さんの下の世話をすることもあり、痰や大小の排泄物などは日常的に目にし、触れるものです。看護師は当たり前にやっている仕事です。
また、剃毛や清拭の際には異性の局部などにも触れなくてはなりません。例えば摘便といって、腸内にたまった固い便を指でかき出すという作業があります。普通の人ならとてもできないと思う仕事ですが、それを汚いとしか思わないようでは看護師は勤まりません。看護師はその仕事柄、患者の弱い部分に立ち入ることもあります。汚い事であってもそれは立派な患者へのケアの一つです。患者側にも恥ずかしい気持ちがあるので、看護師はそれを慮らなくてはなりません。

「キケン」

実は看護師は危険な仕事でもあります。まず考えられるのは「針刺し」です。これは患者の血液がついた注射針を誤って自分に刺してしまう事故です。針刺しにはウイルス感染の危険もあり十分注意しなくてはなりません。他にも、医療器具で怪我をしたり、患者さんを動かすときなどに腰を痛めたり、転倒してしまうこともあります。
こういった形での危険だけでなく、看護師が患者から暴力を受けるという場合もあります。実際に病棟で勤務している看護師からも、患者から殴られた、暴力を受けたという報告が多数上がっています。患者からの暴力をきっかけに患者恐怖症に陥る看護師や、転職・退職を考える看護師もいて、大きな問題になっています。ベテラン看護師の中には患者のパンチを笑って受け流す程の強者もいるそうですが、そのレベルに達するのはなかなか難しく、病院としても対応に苦慮しています。

この3K以外にも、看護師の仕事には他にも6つのKがあるとも言われています。それは「給料が安い」「休暇が少ない」「化粧の乗りが悪くなる」「婚期が遅れる」「薬に頼って生きている」「規則が厳しい」ですが、他にも「(時間通りに)帰れない」なども当てはまるようです。これらを見ても分かる通り、看護師の負担はとても大きく、相当タフでなければ続けられない仕事なのです。